850年の歴史を持つ鳥取県の三朝温泉(みささおんせん)は、「三たび朝を迎えると元気になる」と言い伝えられるほど健康に良い温泉として有名です。
特に最近では、「吸う温泉」として喉(のど)や鼻といった呼吸器系に良いと注目されています。
そのため、ぜんそくや気管支炎、風邪などの病気の予防・改善にも期待されています。
他の温泉地と比較して三朝温泉が呼吸器系に良いと言われている理由は、三朝温泉の湯気(ゆげ)にあります。
三朝温泉の源泉は70度という高温で、しかも塩化ナトリウム(食塩)の濃度が高くなっています。
三朝温泉の大量の塩分を含んだ湯気が、鼻やノドの粘膜の細胞を適度に刺激しながら、呼吸器系をきれいに掃除をしてくれるのです。
さらに詳しく知りたい方は「三朝温泉が呼吸器系の疾患に効果がある理由」をご覧ください。
鼻や喉(のど)といった呼吸器は、その名の通り、呼吸する場所でもありますが、外部からの異物に対する免疫機構でもあります。
人間は鼻やノドで呼吸をしますが、同時に外部からウィルスや菌なども侵入してきます。
しかし、呼吸器が健康なら、侵入したウィルスや菌は鼻水や痰(たん)として排出されたり、消化管で消化液によって殺されます。
鼻や喉(のど)の呼吸器がこのような免疫機構として役割を果たすから、私たちの身体は健康でいられるのです。
しかし、鼻の炎症などが原因で、この免疫機構が弱ってしまうと、ウィルスや菌を排除するのに時間がかかってしまい、細胞内への侵入を許してしまうことがあります。
その結果、風邪やインフルエンザにかかりやすくなったり、気管支や肺などの病気に発展してしまうこともあるのです。
つまり、呼吸器系が弱ると風邪を引きやすい、体調を壊しやすい体質になってしまうのです。
だからこそ、鼻や喉(のど)といった呼吸器系を健康に保つことは重要なことであり、三朝温泉が呼吸器系の病気の予防・疾患の改善で注目されている理由でもあります。
「呼吸器系を制する者は、健康を制する」と言ってしまうのは大げさでもないかもしれません。
というのも、実際に、三朝温泉がある鳥取県東伯郡三朝町の住民は、長寿の人が多い傾向にあるからです。
鳥取県まで行けない人は、家のお風呂を三朝温泉のように吸う温泉にする方法を試してみて下さい。