三朝温泉の「吸う温泉」は喉や鼻の治療として医療機関でも活用

三朝温泉の「吸う温泉」は医療機関でも治療法として活用

湯気を吸う温泉で喉や鼻の状態を活性化

そもそも、三朝温泉(みささおんせん)はなぜ鼻や喉(のど)に良い温泉と言われているのでしょうか?

それは、三朝温泉の湯気(ゆげ)がポイントになります。

三朝温泉の旅館の中には、浸かる温泉ではなく、湯気を吸う温泉部屋を用意している旅館があります。

70度近くに達する源泉を直接引き込み、立ち登った湯気を6帖ほどの部屋に閉じこめて、いわゆる「ミストサウナ」にしているのです。

この「ミストサウナ」の湯気が身体に非常に良いとされています。

というのも、三朝温泉の温泉成分が溶け込んだ濃厚な湯気を吸いこむことで、鼻やノドなどの呼吸器がやさしく潤うからです。

そして、地元の医療機関「岡山大学病院 三朝医療センター」では、昭和初期から継続して「吸う温泉」を活用した治療を実施しています。

喘息(ぜんそく)や気管支炎などの呼吸器系疾患の患者さんに対し、源泉から出る湯気とお湯を床に打ち付けて発生する大量の湯気を吸わせ、のどや鼻の状態を活性化させる治療法です。

病院でノドや鼻の状態を活性化させる治療が行われている理由は、ノドや鼻には呼吸をするという役割以外に、免疫機構としての重要な役割もあるからです。

ヨーロッパでは「吸う温泉」は治療施設

日本では吸う温泉は非常にめずらしいですが、ヨーロッパでは温泉の湯気(ミスト)による温泉治療施設がよく行われています。

温泉の湯気を吸うことによって、結核や呼吸器系に良いと言われています。

グラディアベルグ(温泉樹)とはドイツの温泉療法施設のこと。無数の木の枝を組み合わせて作られた高さ20メートルほどの壁に、温泉のお湯を流すことで発生させるミストを吸います。

かつては結核治療に、現在もぜんそくなど様々な呼吸器疾患の治療に使われています。

水道水や雨の水とは全く違う刺激となって呼吸機能を刺激します。

NEXT鼻や喉の呼吸器系は外部から侵入したウィルスや菌の免疫機構としての役割も持つ »

このエントリーをはてなブックマークに追加